【ノイキャン最強機種!?】Technics EAH-AZ70W【今年上期の最高傑作!?】

2020年4月29日

こんにちは!masaです。

さて今回は4月10日に発売された話題の完全ワイヤレスイヤホン、【Technics EAH-AZ70W】のご紹介です!

昨年、SONYの「WF-1000XM3」で完全ワイヤレスイヤホンに外音をシャットアウトするノイズキャンセリング機能が初搭載され話題となり、その後あのAppleからNC機能搭載の「AirPods Pro」がリリース、その驚異的なノイズキャンセリング性能で大ヒットとなりました。

特にAirPods Proのノイズキャンセリングと外音取り込みは強力で、外音取り込みはイヤホンをしていることを忘れるほど自然に周りの音が聴こえ、いざノイズキャンセリングをオンにすると魔法のように外音が聴こえなくなります。これを最初に体験した時は本当に驚愕しました。

その後、ノイズキャンセリングを搭載した完全ワイヤレスイヤホンは海外メーカーから数種類リリースされているのですが、いずれもSONYとAppleの2強を脅かすことはできませんでした。私もリリースされたモデルを視聴してみたのですが、どれもノイズキャンセリングが弱く感じました。これらはクワルコム社のチップ「QCC5100」シリーズを使用しているのですが、どうもノイズキャンセリング性能に関してはあまり良くなさそうです。

しかし、2強の「WF-1000XM3」と「AirPods Pro」にも弱点があり、「WF-1000XM3」は音質は良いがあまりノイズキャンセリングが強くなく、「AirPods Pro」はノイズキャンセリングは非常に強いが音質はあまり良くなく、ノイズキャンセリング性能が強く音質が高水準の完全ワイヤレスイヤホンはありませんでした。

しかし、今回この2強の地位を脅かすのではないかと話題の完全ワイヤレスイヤホン【Technics EAH-AZ70W】(以下AZ70W)が発売されました。

このAZ70W、パナソニックの高級オーディオブランド「Technics」初の完全ワイヤレスイヤホンですが、発売前の各メディアやユーチューバーのレビューでノイズキャンセリング性能と高音質を両立しているとかなりの高評価で、私も発売前に予約をしました。

コロナウィルスの関係かちょっと発送が遅れていましたが、やっと無事届きましたので早速レビューしたいと思います。

開封

それでは開封していきましょう。外箱のデザインは落ち着いた感じ。「NOICE CANCELLING & TRUE WIRELESS」の文字が誇らしげです。カラーはブラックとシルバーがあり、今回はシルバーを購入。

箱の中はこんな感じ。結構シンプル。

本体を充電ケースに入れるとこんな感じ。Technicsと印字されたイヤホン側面のフェイスプレートが非常にきれいです。この部分全体がタッチセンサーになっており、イヤホン本体で様々な操作が行えます。

筐体はどんぐりみたいな形状でかなり大きいです。この中に10mm径のダイナミックドライバーが入っています。完全ワイヤレスイヤホンのドライバーは通常6mm径が多く、10mmを搭載したものはあまり無いのではないでしょうか?筐体がどうしても大きくなりますが、その分音の鳴りに余裕がありそうです。

充電ケースとの接点端子の数が多いですね。左右のイヤホン本体が分かるように「R」「L」の表示がされています。ネットではイヤーチップ交換時にノズル部分が折れたという報告がありました。確かにノズルは別パーツぽいので無理すると取れてしまうかも。イヤーチップの交換は慎重に行なった方が良さそうです。

充電ケースは外側がアルミ製、上部にTechnicsと彫られヘアライン加工が施されています。持つと適度の重量感とヒンヤリした手触りで所有欲を満たしてくれます。それと引き換えに傷もつきやすいかも、なんで持ち出す時は柔らかい袋等に入れて保護しています。専用ケースが販売されないかな。

前面の真ん中に充電残量のインジケーターがあります。再生時間はイヤホン本体でノイズキャンセリングオン時6.5時間、充電ケース込み19.5時間となっています。昨今の完全ワイヤレスイヤホンとしては短めですが十分実用的な再生時間かとは思います。


充電はUSB-TYPE C。買ってすぐケースを充電しましたが、満充電までに3〜4時間かかりました。昨今よく搭載されているQi充電には対応していません。

イヤーチップのサイズはS、M、L、XLの4サイズ。私は最初から装着されているMサイズでぴったりでした。ご自分に合うイヤーチップを探してください。

取扱説明書もしっかりしたものが付属しています。海外メーカーのものだとペラペラなものが多いのですが、さすが国産メーカーです。

開発者のメッセージが同封されていました。製品に込めた思いが伝わりますね。

AZ70W レビュー

購入より8日間使用して感じたAZ70Wの良いところとイマイチなところです。

良いと感じたところ

・一聴しただけで分かる、解像度が高くきらびやかでクリヤーな高音質
・ノイズキャンセリングの効果がはっきりと体感できる
・大柄な筐体だけど以外に良い装着感
・高級感があり所有欲を満たすイヤホン本体と充電ケース
・アプリでいろいろ設定変更できる

イマイチと感じたところ

・ノイズキャンセリングと外音取り込みモードの切り替えがスムーズにできない
・スマートホンの接続がスムーズではない
・対応コーデックがSBCとAACのみである(apt-X非対応)
・ノイズキャンセリング、外音取り込みモードともに風切り音が消しきれない

一聴しただけで分かる、解像度が高くきらびやかでクリヤーな高音質

音質についてですが、解像度・音の分離感ともに非常に高く音場もちょうど良い広さだと感じました。特に分離感がすごくボーカル・ドラム・ギター・ベース等の各パートが独立して聴こえ、どちらかと言うと広いホールというより、スタジオやライブハウスで演奏している感覚に近いです。空間表現も良く頭の周りを音が3Dで駆け巡る感覚があり、音楽をとても楽しめるようなチューニングになっていると思います。特に高音域の音がヌケが良く、刺さらない程度に伸びていくのが個人的には気に入りました。トランペット等の金管楽器と相性が良いと思います。中音域もクリアーなのでボーカルもしっかり全面に出てきます。やや残念なのが低音域で、音の量感はしっかりあるのですが高中音域と比べると音の輪郭がややボヤつく感じがあります。低音域がやや残念ですが全体的には非常に音質が良く、いままでの完全ワイヤレスイヤホンより音質のレベルが1段階上と感じました。

AZ70Wで相性が良いと思った楽曲を紹介します。機材はiphone8、音源はSpotify、コーデックはAACのお手軽仕様、AZ70WはノイズキャンセリングをON、イコライザー等はOFFにしています。

まずはBillie Eilishの「bad guy」。

こちらはYouTuber・堀口英剛さんのAZ70W紹介動画でおすすめされていて聴いたのですが、ベースの重低音が広がりつつ、中音域のヌケが良いのでビリー・アイリッシュのささやくような歌声が埋もれることなく聴こえます。空間表現も良いので頭の周りを曲に包まれている感覚で、最初にこの曲を聞いたときは鳥肌ものでした。

2曲目は有名な映画スターウォーズのメインテーマ。

こちらも沈み込むような重低音、高音域の金管楽器がいきいきと伸び、各々の楽器同士の音が潰れることなく調和されて、AZ70Wの優れた空間表現が生かされると思います。普段は映画音楽をあまり聴きませんが、これは引き込まれるように聴いてしまいました。

3曲目はファンクメタルバンド、Extremeの「Cupid´s Dead」。

1992年の曲なので最近の曲と比べると音質が劣るはずなのですが、AZ70Wの解像度が高いためかリミックスされたように高音質で聴こえます。この曲の特徴でもあるギター・ベース・ドラムの長い中間奏の駆け引きも歯切れ良く聴かせてくれます。ちょっと前の曲を良い音質で効かせてくれるところもAZ70Wの良いところですね。

番外編として、映画視聴にも向いていますよ。重低音の響きがまるで映画館で見てるみたいです。

AZ70Wは高い解像度、個性的な空間表現と分離感、きらびやかな高音域で、しっとりとしたアコースティック系の曲より、どちらかというとハードロック系、アニソン系やオーケストラのような派手目の楽曲に合うと思います。

ノイズキャンセリングの効果がはっきりと体感できる

「業界最高クラスのノイズキャンセリング性能」というメーカーの謳い文句どうり、ノイズキャンセリングの効果をはっきりと体感できます。特に換気扇や空調機、車等の街中での雑音はかなり低減されると思います。一方、人の話し声等の中高音域はある程度聞こえるので、急に話しかけられても気づくと思います。外音取り込みモードは他のレビューでも言われているとおり、いかにもマイクからの音という感じがしてちょっと不自然に感じました。ホワイトノイズが大きいというレビューもありますが、私は気になるほどでは無いんじゃないかと思います。

大柄な筐体だけど以外に良い装着感

完全ワイヤレスイヤホンとしては大型な10mmのダイナミックドライバーを搭載しているので筐体が大きく一見装着感が悪そうの思えますが、大きさの割に重量が軽く装着感は悪くありません。イヤーチップも耳の入り口くらいまでしか入らないので長時間聞いていても疲れることはありませんでした。

高級感があり所有欲を満たすイヤホン本体と充電ケース

イヤホン側面のフェースプレートやアルミの充電ケースは本当に美しく、派手すぎずで大人のガジェットという雰囲気です。これだけで所有欲を満たしてくれます。特にシルバーはApple製品との親和性があり良いですね。

アプリでいろいろ設定変更できる

AZ70Wは専用アプリ「Technics Audio Connect」でノイズキャンセリングの強さや音質の設定変更ができます。

アプリのメインメニュー。接続コーデック・充電残量が表示されています。

ノイズキャンセリングと外音取り込みは100段階で調整可能。

サウンドモードでは低音やボーカルを際立たせたい時に使える設定があります。低音といっても派手に持ち上がるわけではなく、繊細に調整された音質でレベルが高い設定かと思います。もちろんイコライザーで自分の好みに設定もできます。ですがこちらも音質がガラリと変化するわけではなく、あくまで補完する程度です。

ノイズキャンセリングと外音取り込みモードの切り替えがスムーズにできない

ここからイマイチと感じたところです。

ノイズキャンセリングと外音取り込みモードの切り替えはイヤホン本体右側のタッチボタンを長押しして切り替えるのですが、ノイズキャンセリング→外音取り込みモード→オフ→ノイズキャンセリングという繰り返しなので切り替えが面倒に感じます。外音取り込みはレジの支払いや誰かに話しかけられた時に便利なので多用するのですが、タッチボタンの長押しだとすぐに切り替え出来ないし、またノイズキャンセリングに戻すのも長押しを2回しなければならずストレスが溜まります。アプリでボタン操作割当ができれば良いのですが現状は出来ません。今後のアップデートで対応してほしいポイントです。

Bluetoothの接続がスムーズではない

スマートホンと一度ペアリングさせれば次からは充電ケースから出すと自動でブルートゥース接続になるのですが、AZ70Wは接続までの時間が他の完全ワイヤレスイヤホンと比べて長いです。10〜30秒はかかりますので結構イライラします。Bluetooth信号を左右のイヤホンがそれぞれ同時に受信する左右独立受信方式により、安定したワイヤレス接続性で混雑した場所などでも音が途切れにくくなるということですが、これだけ接続に時間がかかるのはいただけないと思います。ここもアップデートで修正していただきたいところです。

対応コーデックがSBCとAACのみである(apt-X非対応)

対応コーデックはSBCとAACのみ。iphoneユーザーはこれで良いのですが、androidユーザーはより高音質なapt-xが対応していないことにちょっと購入を悩むかもしれません。AZ70Wはクワルコム社のチップを使用していないのでしょうが無いのですが。AACでも十分高音質だとは思います。

ノイズキャンセリング、外音取り込みモードともに風切り音が消しきれない

個人的にはここが一番残念なところです。屋外で風が強い日に使用していると風切り音が結構聴こえて気になります。外音取り込みモードの時はある程度風の音が聴こえてもしょうが無いと思うのですが、ノイズキャンセリング時でも聴こえます。オフの時のほうが風の音は小さいです。AZ70Wのメーカーサイトでは風切り音対策を売りにしているのに、ちょっと期待ハズレでした。

まとめ

AZ70WはTechnics初の完全ワイヤレスイヤホンであり、細かい欠点や操作性が熟成されていないところがやはりあります。値段も3万円オーバーとハイエンド機種であり、購入される方の期待度も高いので、どうしても細かい点も気になってしまうと思います。同時期に発売されたSENNHEISER MOMENTUM True Wireless 2は音質・操作性ともに高評価を受けています。しかし、MOMENTUM True Wirelessも前機種の欠点を潰して完成度を高めていますので、AZ70Wもアップデートで徐々に改善していくのではないかと思います。肝心な音質についてはこのイヤホンの個性的な空間表現と解像度の高さは他のイヤホンに無いものだと思います。初めての完全ワイヤレスイヤホンでこの音質の完成度はTechnicsのポテンシャルの高さを感じます。

このAZ70Wや先ほど紹介したMOMENTUM True Wireless2、さらに今後発売が予定されているYAMAHAの初完全ワイヤレスイヤホンやAppleの新機種等、今年はハイエンド機種が熱くなりそうですね!

それでは、また!

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